八いつ賞2016
2016年度卒業設計提出作品
安藤佑太 森の生活-名古屋市野外教育センター計画- 大塚洋人 水の<ノード>-富士宮・酒蔵増改築-複合施設計画 大沼亜輝 地景-水戸・スポーツコンプレックス計画
 
  小倉畑昂祐 折屋根に集う情景 小澤巧太郎 COWTOPIA -街型牛舎の再興- 甲斐典紫 Crossover ―高蔵寺ニュータウン再整備計画
   
  片岡裕貴 奥を見上げる、奥を見下ろす 亀井康介 地下の開放 -栄駅・久屋大通公園再計画- 小島悠暉 山水へ導く、屋根の連なり ~下呂温泉における観光拠点の提案~
     
   竹内翔平 「学びたい」を掻き立てる ―こどものバイタリティが創り出す小学校― 森下裕介 PARK FOR THE HANDICAPPED -義肢装具工房・学校・リハビリテーションコンプレックス計画  李橋  秩序ある混沌―瀋陽故宮博物館増築計画
2016年度審査経過
審査員 篠原佳則(S62年卒)、墨英子(H09年卒)、滝彩子(H18年卒)
審査員評
2016年度の八いつ賞の審査が2月27日に行われました。
 

名古屋大学 卒業設計 八いつ賞 講評 20170227実施

竹内翔平さん 「学びたい」を掻き立てる ―こどものバイタリティが創り出す小学校―

例年に比べると、建築としてのテーマ設定が明確で、見ごたえのある作品がいくつか見受けられた。

3人の審査員のうち、2人以上評価した、大塚さん、大沼さん、竹内さんの作品より選定することとなった。
他には小倉さん、小澤さんという候補もあった。

審査のポイントをあげれば、以下の3つです。

1つ目は、学生らしい挑戦的なテーマとそのための敷地・プログラムの設定。
2つ目は、建築空間として魅力ある提案。
3つ目は、作図・説明の能力、見せ方といったプレゼンテーション。

計画地は、現相生山小学校。地下鉄駅のある北側道路。西側に道路。南と東に住宅地で高低差がある。
まずは高低差を利用して学校の為の空間と地域のための空間を切り分けた。
低いレベルにある地域開放可能な空間の上に、$マークの普通教室と特別教室が並べられている。
機能的には明確な立体構成により、地域と子どもが「見る」「見られる」関係にて結びつくようになっている。
赤と青で表現された人間が、2つの機能の存在をわからせてくれる。

この作品は、現実の業務のプログラムではありえない構成でありながら、地域における学校という公共施設の
ありように示唆を示すものとなっている。
さらに、「学びたい」という気持ちが南向きの教室から生まれてくるのだろうか、という重大な投げ掛けをしている。
また、本人がやりたい内部空間のディーテールが、断面図や平面図においてしっかりと計画し、ドローイングの中に
表現できていた点が好印象を受けた。

われわれOBによる審査は、審査会当日にどれだけの考えを示すことが出来たのか、だけで判断する。今後の竹内さんほか皆様の活躍に期待する。



文責:篠原佳則(安井建築設計事務所)

 
歴代受賞者(敬称略)
  2016年度  竹内翔平  「学びたい」を掻き立てる ―こどものバイタリティが創り出す小学校― 
  2015年度  鯵坂康平  地の記憶ー知覧飛行場再生計画ー 
  2014年度  永井翔大  皺の陰影:木下晋鉛筆画美術館
  2013年度   ?
  2012年度  中村友亮  ? 
  2011年度  古賀春那  esplanade market ―福岡・姪浜漁港再整備計画
2010年度 (奨励賞) 国本築永 TRASPORTABLE EMERGENCY ROOM 
  2009年度 杉野友香  碧の海に住まうこと 都市とわたしのスキマ 
2008年度 加藤祐樹 PARK TERMINAL
2007年度 山口智三  Learning from Catastrophe -災害資料館計画-
2006年度 森田 慧 Stoa Flora
2005年度 福田純一 HIROSHIMAの記憶
2004年度 浅見泰則 水の駅
2003年度 谷田侑美子
2002年度 安藤由里子 Flower Factory MUseum
2001年度 平野章博 飛鳥の架橋
2000年度 置塩淳夫 TRANSTATION
1999年度 並松史郎 Cultivation-space 定年帰農者の農村
1998年度 若見招子 CHILDREN PATH PROJECT
1997年度 該当者なし
1996年度 原 優子 TERMINAL STUDENTS CENTER
1995年度 大西高広 Yacht Workshop
1994年度 大崎太郎 MEDIA NORD in NAGOYA